脱ひきドットネット

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今までとこれからと

大学を卒業したのち、就職をして数か月で退職してしまいました。
もともと不器用かつ常識に無頓着な人間なので、何事にも苦労が絶えなかったのですが、それでもなんとかなると思っていました。しかし仕事に対して良いイメージが持てないままに就職してしまったということもあり、仕事も上手くいかず、何のために働き何のために生きていけばいいのか分からなくなりました。その時は深刻なノイローゼになっていたのだろうと思います。退職したのち一か月ほど休み、それから奮起しバイトをいくつも掛け持ちして、巻き返そうと必死になっていました。

しかし日に日にストレスが積もっていき、ある時失踪しました。
そのまま人生を終えたいとも考えたり、新しい地で生きていこうかとも考えたり、そうこう考えるうちに疲れ果て、結局一か月後に家に戻りました。

それから4年ほどひきこもり状態でした。
何をしても楽しいこともなく、働いたとて何かが変わるとも思えず、1日1日が苦痛でしかなかったと思います。もちろん浮き沈みもあり色々な思いを抱えていましたが、生きることへ罪悪感に苛まれ考える事すら辛かったです。どのような言葉も響かず、ただ時間が過ぎ去っていくだけでした。

しかし『脱ひきこもり』のキッカケの多くは何でもないことだったりします。
僕の場合は前歯の詰め物が取れてそのままにしていたので、親から「歯医者に行ってきなさい」と言われたことです。勿論行きたくなかったのですが、いつまで経ってもお金がリビングのテーブルの上にあったので、仕方なく歯医者に通うことにしました。それまでは昼夜逆転どころか、何月何日の何時かさえさっぱり分からない生活だったのですが、歯医者での治療が長引いたせいもあり、少しまともな生活を送れるようになりました。それから自分に何か出来ることはないだろうか?と少しだけ前向きに考えるようになったのかもしれません。

歯の治療をしているうちに、自転車で行ける範囲にちょうど自立支援を行っているNPO法人があることを知ったので、勇気を出して訪ねることにしました。最初は不安しかありませんでしたが、自分にも何か出来ることあればという思いつきだけで動きました。実際通うようになると、同じような立場の人と話すこと接することで、自分をより深く見つめなおし、考えることと行動することの両輪で徐々に自分らしさを取り戻せていけたんじゃないかなと思います。自分の気持ちを素直に表現出来る居場所の中で、受け容れ受け容れられ、ありのままで生きていく自由があることを色んな方から教えてもらいました。

今でも悩んだり苦しくなったりすることはありますが、以前のように無理に一人で頑張りたくはありません。自分らしさ・自分の価値観を信じて、今を楽しく面白くするために動き続けていきたいと思っています。

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